2018年3月の記事一覧

防災コラム

災害に立ち向かう「自助力」
1923年に発生した関東大震災以来、最大の自然災害となった東日本大震災の被害を目の当たりにした私たちは、いつ起きてもおかしくない大災害に立ち向かうための防災意識としての「自助力」を高める必要があります。
「防災」を議論する際に頻繁に登場する言葉に「自助」「共助」「公助」があります。 「自助」というのは文字通り自分で自分を助ける、自分の身を守るのは自分、という心構えです。 「共助」とは自分以外の人たち、家族やご近所の人たち、また地域のコミュニティの人たちが集まって共に助け合うことです。 「公助」とは、国、地方自治体などの行政機関や同等の公的機関によって災害の困難を克服すうることです。 しかし「公助」は、縦割り行政をはじめ法的根拠の下でしか動けないもどかしさがあります。災害現場では小回りが効きません。
災害から発生した重大な危機を乗り越えるのは究極のところ自分自身でやるしかない、ということになります。 日頃からの被害を想定した防災認識、防災用具の準備、防災訓練への参加による事前体験や予備知識から「自助力」を高めましょう。 皆様方に自治会より配布しました町田市の防災マップを定期的に点検し、最低1人3日分の備蓄は行ってください。 自分を守るためには先ずご家庭で消火器を用意し、地域の防災訓練で消火器の使用体験をしましょう。
地震が発生したら先ず姿勢を低くし、頭を守って、揺れが収まるまでじっとしていましょう。 もしも我が家に火災が起こってしまったら、揺れが収まってから消火に努めましょう。
防災活動の基本は、まず自分の命を守ることです。そのためには、我が家の安全を確保することもその一歩ですが、昭和56年以降に建てられた家は耐震基準をクリアーしているので、ここ三輪緑山はすべての家が震度6から7程度では倒壊の恐れがないと言われています。 もちろん築年数による自然な家屋の傷みや摩耗、3.11の大きな揺れの影響などがあったことも事実でしょうが、耐震基準とは、その住宅の中にいる人の安全が確保できる建物であるということです。 さらに、我が家の安全確保は家の中で「うごく」もの、「とぶ」もの、「たおれる」もの、「おちる」もの等の固定、また、「われる」ものの対策も必要です。
「自助力」は日常生活から養われます。もう一度我が家と自分の安全への備えを確認しましょう。
(三輪緑山自治会・自主防災隊 広報担当n)

防災と減災
最近、減災という言葉が広まっています。
減災(げんさい)とは、災害時において発生し得る被害を最小化するための取り組みです。 防災が被害を出さない取り組みであるのに対して、減災とはあらかじめ被害の発生を想定した上で、その被害を低減させていこうとするもので、内閣府も地方行政機関も真剣に取り組んでいます。
これは、阪神・淡路大震災後の2004年頃、被災者の体験から生まれた概念です。
それまでの防災は、あくまで被害を出さないために万遍なくコストをかける、いわば保険のような発想で行われていました。しかし、いざ災害が発生してみるとその地域の防災力を上回る被害が起こることがあり、被害を完全に防ぐことは不可能であり、また、発生が想定される全ての被害を食い止めようとすると、いくらコストをかけても間に合わないことが明白となりました。また、防災とは災害が発生した後のことを重視しています。しかし『減災』で重要なことは発生前の平常時に如何に被害を減らすために対策を講じるかです。
そこで、如何なる対策をとったとしても被害は生ずるという認識のもと、災害時において被害が最も生ずる課題に対して、限られた予算や資源を集中的にかけることで、結果的に被害の最小化を図ろう、人命が失われるという最悪の事態だけは何としても避けようという発想が生まれました。これが減災の発想であり理念です。
ただ、災害における地域の弱点を発見し、対策を講ずるとしても行政単独で対策をとるだけでは減災は達せられません。それは、災害時に最も被害を受けるのは他でもない、地域に住む市民自身であるからです。 それだけに、近年は行政と市民が協働で地域の防災力を向上させようという防災まちづくり事業が多くの市町村において取り組まれるようになりつつあり、減災は防災まちづくりにおけるひとつの戦略として浸透しつつあります。
究極の減災とは、「自分で自分の命を守ること」に尽きます。
(三輪緑山自治会・自主防災隊 広報担当n)

0